本誌の測り方
耳より音響スケール v2 現行版 2026-07-28
本誌のスコアは、作品をすべてまったく同じ手順で解析した実測値です。 評価者の主観ではなく信号処理の結果なので、作品どうしを同じものさしで比べられます。 各スコアには全作品分布の中での位置(上位◯%)を併記しています—— 数字単体より、この分位のほうが比較には役立ちます。
SCOPE測定の規模
| 解析済み作品 | 3,907 作品 |
|---|---|
| 解析トラック | 27,648 本(解析はトラック単位) |
| 解析した音声 | のべ 6,026 時間 |
| 収集開始 | 2026-06-10 |
| 入力形式 | 48kHz / ステレオ 2ch |
| 解析の粒度 | 1秒ごとに解析 → 15秒ウィンドウへ圧縮 |
指標ごとの測定できた件数は 没入度 3,425/刺激度 3,907/ 睡眠安全性 3,905/セリフ密度 3,295 作品です。 測れなかったものを 0 点として混ぜることはしません (モノラル相当の作品は没入度を測定できないため「—」とし、ランキングからも外します)。
IMMERSION没入度
- 元にしている物理量
- IACC(両耳相互相関)— 左右の耳に届く音がどれだけ独立しているか
- 作品内での代表値の取り方
- 15秒ウィンドウごとの区間最小を取り、作品内 p10(最も耳に近づいた瞬間)
- 0–100 への写像
- 1 − IACC を対数写像(k=15)。IACC は 0 付近に密集するため、線形だと大半が 95〜100 に貼り付いて分解能が出ない
- 高いと何が起きるか
- 耳の内側で声が鳴る・背後や真横に音源を感じる、いわゆる立体感
- 測っていないこと・落とし穴
- 左右の入れ替わりが激しい作品は人によっては酔う。モノラル相当(代表値が 0.999 以上)は「立体感が無い」のではなく測定できていないので 0 点ではなく「—」とし、ランキングからも外す
STIMULATION刺激度
- 元にしている物理量
- ZCR(ゼロ交差率)— 波形が正負をまたぐ頻度=音の細かな変化量
- 作品内での代表値の取り方
- 15秒ウィンドウごとの区間最大を取り、作品内 p90
- 0–100 への写像
- [0, 0.35] を線形に 0-100 へ。上端は実測 p95 相当(0.38)を少し下げた値
- 高いと何が起きるか
- オイルマッサージ・耳かき・タッピングなど、音数が多くゾワゾワ感の強い作風
- 測っていないこと・落とし穴
- 「刺激が強い=眠れる」ではない。就寝用なら刺激度は中〜低で、睡眠安全性を優先する
SLEEP SAFE睡眠安全性
- 元にしている物理量
- Zwicker シャープネス(DIN 45692 準拠の心理音響値)— 音の刺さりやすさ
- 作品内での代表値の取り方
- トラックごとの sharpness_max を集め、作品内 p90
- 0–100 への写像
- 2 acum 以下を 100 点、4.5 acum 以上を 0 点として線形。単発の破裂音1つで順位が動かないよう、最大値ではなく p90 を使う
- 高いと何が起きるか
- うたた寝しても飛び起きる音が来ない。寝落ち用・作業用に流せる
- 測っていないこと・落とし穴
- 声の内容は測っていない(囁きでも内容が賑やかな作品はある)。音量の上げすぎにも効かない
COST PERFコスパ
- 元にしている物理量
- 定価1円あたりの収録秒数(秒/円)
- 作品内での代表値の取り方
- 作品の総収録秒数 ÷ 定価
- 0–100 への写像
- 3.0 以上で S ランク。価格はセールではなく定価で計算する
- 高いと何が起きるか
- 数時間級の長尺・または低価格。ボリューム重視の目安
- 測っていないこと・落とし穴
- 長ければ良いわけではなく、単一トラックのループ的な長尺もこの値は高く出る
PROCEDURE解析の手順
- 音源を 48kHz / ステレオ 2ch に整える(ffmpeg)。
- 1秒ごとのチャンクに切り、チャンクごとに ZCR・IACC・スペクトル重心・Zwicker シャープネスを算出する(librosa / MoSQITo)。
- 15秒ウィンドウへ圧縮する。ピークを残す向きで畳むため、 ZCR は区間最大、IACC は区間最小を採る。
- 作品内の分位点で代表値を取る(単発のスパイクに引きずられないため)。
- 上の各指標の式で 0–100 へ写像する。
パラメーター(サンプリング周波数・フレーム長・ホップ長・アルゴリズム)は 全作品で同一です。作品ごとに調整することはありません。 15秒ウィンドウの値は、作品ページの「音の流れ」でトラックを再生順につないだ実時間の図として閲覧でき、 スコアの根拠を各ページで確認できます。
REVISIONS版の履歴
測定の較正を変えたときは版を上げ、ここに残します。 過去の数値がどの版のものか追えるようにするためです。
耳より音響スケール v2 2026-07-28
代表値を平均から作品内分位点へ(刺激度=ZCR p90 / 没入度=IACC p10)。アンカーを実測761作品の分布に合わせ、没入度は対数写像に変更。モノラル相当は0点ではなく測定対象外(—)に。
耳より音響スケール v1 2026-06-10
初版。per-chunk の平均を線形写像。刺激度が中央12・最大74に潰れ、没入度は24%がちょうど0点になっていた。
既知の問題: v1 の時期に書かれた解説文には旧写像の数値が本文に 埋まったものがあり、ページ上のスコアと食い違う場合があります。 2026-09-09 に該当する 326 作品を検出し、順次書き直しています。
LIMITS測っていないこと
- 声の良し悪し・演技の質は測っていません。 これは信号処理では扱えない領域です。試聴で確かめてください。
- 台詞の内容は測っていません。 囁き主体でも内容が賑やかな作品はあります(セリフ密度は字数だけを見ています)。
- 作品の好き嫌いは測れません。 スコアは音の物理的な性質であって、作品の価値ではありません。
- 音量設定には効きません。 睡眠安全性が高くても、再生音量を上げれば目は覚めます。
- 解析元の音源が配信版と同一である保証はありません。 マスタリング違いがあれば数値は変わりえます。
WRITING解説文の作り方
作品ページの解説文は、上の測定値と、音声から機械的に起こした文字起こしだけを 材料に言語モデルが下書きし、機械検査を通したものです。 当サイトは作品を聴いたうえでの主観評価を行っていません。 「聴いてみたら〜だった」という体験の記述は書かない方針で、これは自動検査で機械的に弾いています。 スコアはこの文章とは独立に、上の式だけから算出しています。