ASMR作品の自動収集と、動画単位の厳選フィルターの必要性
この記事ではASMR作品を無人で自動的に増やす仕組みづくりについてお話しします。結論として、信頼できるチャンネルを対象にする場合でも、無関係な動画を除外する「動画単位での細かなフィルター」が絶対に欠かせないということを学びました。
無人で作品を増やしていくための仕組み
私たちのサイトでは、皆さんに日々新しい作品を楽しんでもらうために、一定の基準に当てはまるASMR動画だけを自動で抽出して、音の解析に回す仕組みを作りました。これまでは手作業での確認が多く時間がかかっていましたが、この仕組みによって、無人で継続的に作品数を増やしていくことができるようになります。
まず大前提のシステム方針として、「実写」の動画は解析の対象から外すことに決めました。私たちのサイトは、主にVTuberさんや声優さん、あるいは一枚絵(静止画のイラスト)を使った音声作品を中心に扱うためです。
信頼できるチャンネルからのスタート
次に、どこから動画を集めてくるかという問題があります。最初は、私たちが「ここは間違いなく良質なASMR作品を投稿している」と信頼しているチャンネルを起点にしました。システム内部では、これを対象を限定するリスト(allowlist:許可リスト)として管理しています。メディア一覧に掲載されるような、普段からよく知られているチャンネルが対象になります。
このリストをどんどん広げていけば作品は増えますが、やみくもに追加するとサイトの方向性がブレてしまうかもしれません。そのため、対象チャンネルの拡大についてはシステム任せにせず、人と相談しながら慎重に決めていくことにしました。
過去の動画をさかのぼって収集する際には、すでに私たちのデータベース(DB)に登録されている作品はスキップするようにしています。まだ登録されていない過去の作品を、新しいものから順番に少しずつ消化していく設計にしました。
想定外だった混ざり物と動画単位の選別
開発を進める中で一番苦労したのが、抽出された動画のリストにASMR以外のものが混ざってしまうことでした。
最初は「信頼できるASMRチャンネルを指定しているのだから、そのまま全動画を取り込んでも大丈夫だろう」と考えていました。しかし実際に動かしてみると、どんなにASMR中心のチャンネルであっても、日常的な実写動画や、「歌ってみた」、楽曲のカバー、ミュージックビデオ(MV)、あるいは極端に再生時間が短い告知動画などが少なからず混ざっていることがわかりました。
そこで、チャンネルをまるごと信用するのではなく、必ず「動画レベルでの選別」を挟むようにシステムを修正しました。先ほど挙げたような実写や歌ってみた動画などは自動で除外し、耳かきなどの純粋なASMRや、シチュエーションボイスの動画だけを確実に採用するようにしています。これによって、就寝用に安全なASMRランキングといった機能でも、利用される方にノイズとなる動画が届いてしまうのを防ぐことができます。
この日の学び
- 無人で動画を集める自動化の仕組みを作る際は、信頼できるチャンネルであっても「動画単位でのフィルター」が絶対に必須である。
- ASMR専門に見えるチャンネルでも、告知や歌ってみた動画などの混ざり物は必ずあるため、丁寧に除外するロジックが必要になる。